60代再雇用社員の「強み」と「弱み」

弊社に定年退職のスタッフが入りました。
私は「これで仕事が楽になる!」と思いましたが、忙しくなりました。
理由は、事業全体のスピードがアップしたためです。毎日が止まることなく、河のように流れてゆきます。溺れないようにしなくてはいけません。

ふと気が付いたことがあります。
スタッフが昼休みにも仕事をしている…。

今の定年シニアは「バブル世代」と言われ、軽いと評価されることがあります。
しかし、実は長時間残業・上司からの叱責・顧客からの依頼には絶対応える…という、ストレスが大きな時代を働きぬけてきた、重みも持ち合わせた世代です。
俺の背中を見て学べ!という教育を受けて育ちました。
私も「24時間働けますか?」というCMに賛同していました。

この60代再雇用社員には独特の「強み」と「弱み」があります。

「強み」

一つ目は、「粘り強さ」
困難な状況でも、あきらめずに取り組む姿勢が光ります。

二つ目は、「対人関係の柔らかさ」
長年の経験から、角を立てずに物事を運ぶ術を知っています。

弊社のスタッフは接客経験が長かったため、私が声を荒げても、のらりくらりとかわします。
流石に、途中で怒っている自分が馬鹿らしくなり冷静さが戻ります。

「弱み」

一つ目は「時代感覚のズレ」
同世代だけで仕事をしている方は要注意です。ズレに気が付かないことがあります。

二つ目は「自己流の仕事観」
俺の背中を見て覚えろという上司の下では、自分でやり方を工夫するしかありません。

全てが自己流にならざるを得ません。これは、本人だけのせいではなく、時代がそうであったということをくみとる必要があります。

弱みの克服には、リスキニングが必要です。
私は、シニア世代はミドル世代以上にリスキニングが必要ではないかと考えています。

最後に、産業ジェロントロジーの視点から一言付け加えます。

60代になると、新しい情報の処理スピードや短期記憶の保持力は緩やかに低下していきます。その一方で、長期記憶や経験知はむしろ強みとして発揮されます。
よって、指示は一度に詰め込まず、段階的かつ視覚的に補うことで、力を存分に発揮してもらいやすくなります。
年上部下には、あれもこれも・・・ではなく、あれが終わったら、これを・・・が正しい指示の出し方・依頼のし方です。