メールマガジン第78号(2025年12月11日発行)キャリア自立と“就労後障害”から考える職場の支援力

1 情報提供
(1)中高年世代の「キャリア自立」の仕方・させ方のポイント
(2)「就労後障害」とはどんな人・・・?

2 セミナー案内
(1) 無料オンラインセミナー「管理職のための、年上部下の活かし方・育て方」―
高齢者心理理解に役立つ!産業ジェロントロジー ― のご案内(12/17、12/25)

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1 情報提供
(1) 中高年世代の「キャリア自立」を成功させるポイント

皆さんは「キャリア自立」という言葉をご存じでしょうか。
語源は「career(経歴)」と「self-reliance(自立)」。
個人が自らの意思で職業人生を設計し、主体的に選択・行動するという意味を持つ概念です。

キャリア自立をしている人は、前向きで充実した心理状態(ワークエンゲージメントが高い)を維持しやすくなります。
では、企業におけるキャリア自立支援の必要性と制度整備の進みは、どの程度進んでいるのでしょうか。
厚生労働省の「令和4年版 労働経済の分析」によると、キャリア形成支援施策を導入している企業は全体の約40%と半数を下回っています。
これでは、就業員自らが学ばなくては、雇用延長を乗り切る能力をつけることはできません。
しかし、時間もお金も厳しい日本の中高年世代…。企業が研修を通じた支援をする必要があります。

成功のコツを、ジェロントロジー視点から1つご紹介いたします。


それは「中高年」とひとくくりにしない」ことです。

研修企画の際に40代と50代を混同してしまうケースが見受けられますが、実は違いがあります。
40代は昇進・転勤の可能性が高く、環境要因により学習機会が多い世代です。
体力や疲労回復力にも優れています。
50代になると制度的な制約が生じるほか、体力・記憶力の低下、家族イベント(介護・子供の進学など)の増加により、行動の自由度が低下しがちです。
研修予算の重点を40代に置く企業が多いのですが、キャリア自立支援の観点からは、50代こそ支援の質と個別性が求められます。
60代は雇用延長で枠外に置かれがちですが、それももったいないことです。
「結晶性知能」の活用による活躍が期待されます。世代に合わせた施策を考えましょう。

(2) 「就労後障害」とはどんな人・・・?
「就労後障害者」という言葉をご存じでしょうか?
「就労開始後」に障害を発症した人のことであり「中途障害」と言われることも多いですが、働く私たちが考える場合には「就労後」が適切です。
厚生労働省・内閣府による統一された定義はありません。
「一般就労中の障害者」として扱われ、合理的配慮が必要です。
合理的配慮とは、障害のある人が他の人と平等に社会参加できるよう、不利益を受けないために行われる調整や支援のことであり、2024年4月法改正により民間企業において法的義務化がされました。
ところで、この「就労後障害者」とは、どのような人のことでしょうか?

障害分類と、配慮の仕方をご紹介します。
・筋ジストロフィー・膠原病(難病)
 疲れやすさに配慮する、・休憩時間の確保
・心臓病でペースメーカー装着(内部障害)
 強い電磁波を避ける(電気自動車の充電器など)、マンモグラフィー検査不可
・事故による右腕欠損(身体障害)
 作業の工夫や補助具の活用、片手操作に対応した環境整備
・交通事故で下肢麻痺、車いす使用(身体障害)
 バリアフリー環境の整備、移動経路の確保

就労後障害の特徴は、中高年世代に多いということです。
その理由は、癌・心疾患・高次性機能障害などの発症が増加するためです。
「就労後障害の人は、自殺と鬱が多いんです」
私が参加している患者会の先輩が教えてくれました。
「できたことができなくなる」という辛さに耐えられなくなるそうです。
この先輩も心疾患のために就労後障害となりましたが、雇用延長の正社員処遇で定年まで勤務していました。
「身体はしんどいけれど後輩社員が配慮してくれるので、何とかやってますわぁ…」
「職場の安全配慮義務」という、漢字の並んだ冷たい単語でくくってしまうのではなく、声掛けや、目配りで温かくサポートすることが職場の定着化を図ることだと思います。

2 セミナー案内

(1)          無料オンラインセミナー「管理職のための、年上部下の活かし方・育て方」
― 高齢者心理理解に役立つ!産業ジェロントロジー(終了しました)

高齢社会を迎えた今、再雇用や雇用延長により「年上部下」を持つ管理職の方が増えています 。
しかし、現場では「年上なので遠慮してしまう」「元上司への指導が難しい」といった悩みも少なくありません 。
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単なるマナーやコミュニケーション研修ではなく、加齢学(ジェロントロジー)と高齢者心理の知見をもとに 、年上部下を最大限に“戦力”として活かすための具体的なマネジメント手法をお伝えします 。

※セミナーで得られること
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・年上に対しても自信を持って指導できるようになる 。
・高齢社会に持続可能な企業体質をつくりたい経営者の方

※こんな課題を持つ方におすすめです
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・50代がボリュームゾーンとなっている企業の人事部門の方
・人材不足に悩む経営者の方


※年内開催スケジュール
12月17日(水)14:00-14:30
12月25日(木)12:05-12:35
Zoom使用によるオンライン開催・参加無料です。

お申込みはこちら 
https://jibungaku.com/news/172696/

編集後記
年末になり、自然災害の多さに驚いています。
皆様のお客様、ご親族の方はご無事でしょうか?
「防災リュック」という商品がありますが、使わない・使えないものが入っていることが多いようです。
その理由は、本人ではない人が詰めたからです。
必要なものは、一人ひとり違います。
水、薬、保存食、ビニールシート、生理用品、印鑑、決算書??
そこで、改めて中身を全部出して、自分流に詰め直してはいかがでしょうか?
家庭や職場で話し合うのもいいかもしれません。
他者と自分の違いを見出すことにも一役買ってくれると思います。