年末に、自著「私たちのワークスタイル」を読み直していました。
2007年発行。読者対象は30歳前後の女性を対象とし、データとケースで自身のキャリアデザインを考えるという企画です。
公立図書館や、男女参画センターが随分と設置してくださいました。
残念だったのは、企業からの引き合いがほぼなかったことです。
「女性活躍」という時代には、まだまだ、時期尚早でした。
目次を抜粋すると…
・企業の子育て支援
・母子世帯の悩み
・出産後の働き方
・学歴と働き方の相関関係
当時は、まだ、女性が企業内教育を受ける機会は、とても希少でした。
私が勤務していた企業でも、男性が研修に参加している間も、女性は職場に残され、
電話番や、伝票作成をしていました。各部署の教育費を使うのは男性社員、経理処理は女性社員ということに、ほとんどの人が疑問を感じていませんでした。これが「教育を受ける習慣がない女性社員」を作りました。
それから18年…。この時代の女性たちは、ミドル世代となりました。
「女性活躍」「女性管理職」流行りとなり、企業は彼女たちに、一生懸命になって企業内教育をし始めました。しかし、もともと「社内教育を受ける習慣がない」女性社員です。受け方も、必要性もわかりません。やる気が出ない、効果が低いというのは、当然です。
ましてや、管理職世代となれば40歳以降が大半を占めます。心身ともに、環境変化に柔軟に対応することが不得手になり始める世代です。Gerontology的に考えると「適応能力の低下」です。ホルモンバランスも崩れやすく、頑張りたくても頑張れない、更年期の方も出てきます。
では、どうすればよいのでしょうか?
解決策ですが、まずは、今までの女性社員に対して行ってきた教育制度を、20年間分ひも解くことから始めます。そこから、何が足りなかったのかがわかります。
一番大切なのは、研修プログラムの中身ではなく「なぜ、女性には教育が不要だと考えたのか?」かもしれません。
ミドル世代の女性活躍企業づくりには、Gerontologyの知見を活用することでも必要す。加齢変化による、心理や健康状態、ライフスタイルの変化がわかるからです。
御関心をお持ちの方は、今後の方策を一緒に考えてみませんか?